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赤目の日常&お人形ブログ since:2009.01.01
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久しぶりに読んだ本の感想を書いておく。

板倉俊之『蟻地獄』。

若者二人がとある裏カジノでイカサマをし
大金を得ようとするが、あっさりばれてしまい
一人がヤクザのボスにつかまってしまう。
残る一人に「助けたければ五日後までに
三百万作って持ってこい」と伝える。

いわゆる現代版「走れメロス」って訳です。

臓器を売れば金になる事、特に目玉は高い事を
吹き込まれ、彼は死体捜しに奔走する…と
ちょっと私の苦手なハードボイルド調で始まるのですが
途中からはもうジェットコースター状態で、
昨日結局、明け方3時半までかかって読了してしまった。
結構な厚さの本なんだけどな。

作者はお笑い芸人インパルスの板倉氏。
独特のセンスが元から好きだった芸人さん。
でも本を書いてるのは知らなかった。
これの前に一冊出してるみたいだけど、
それは未読です。

作家さんではないので、基本文章力がどうこうって
言えるものではないですが、それでもよどみなく
普通にサクサク読めて、充分な筆力だと思う。

細かい伏線を沢山はりめぐらしていて、
でも「いかにも伏線です」っぽいんですけど(笑)。
いくつかの伏線は先が読めちゃったりするけど、
それが本当に次々に現れて来るので、何度も
「なるほど!」と種明かしされながらグイグイ読んでしまう。

伏線…からすぐに回収、というパターンが多いので
大がかりな物と言うよりは、細かくとにかく数で勝負。
いわゆる大がかりな空中浮遊などのイリュージョンではなく
とても訓練されたテーブルマジックという感じ。
それでも中盤からの病院廃墟でのシーン辺りからは
もう息つかせぬ怒涛の展開で裏が表、表がまた裏…と
クルクル先の展開が変わっていって抜群に面白い!

ラストはちょっと無茶してるし、ご都合主義的に
終わるんだけど、でも「アリ」かな?って感じ。

騙したり騙されたり、舌先三寸で切り抜けて…と
主人公が勿論、板倉氏本人と重なる。
もう一人が堤下氏だと思うともっと面白いけど。
暴力的な描写も多々あるので苦手な人は無理だけど
久しぶりに私的には一気読みした
お気に入り作品になりました。
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