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赤目の日常&お人形ブログ since:2009.01.01
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最近読んだ本の感想がたまってるので、まとめて放出。

『K・Nの悲劇』 高野和明
この作者の本はこれが初めて。でも13階段は
レンタルで見た事があるので、だいたいの作風は分かったかな?
幸せな結婚をした女性が、予期せぬ妊娠から中絶を
決心した事により、精神が段々病んで行くというお話。
まるで違う人格に入れ換わってしまうように見えるのだけど、
それが果たして精神分裂による二重人格なのか、それとも
霊が憑依した事による心霊現象なのか…という。
ギリギリのラインな感じが怖くて興味深くて面白いんです。
どんどん先を読んでしまう。

先の13階段もそうですが、テーマも内容もすっごく重くて
ストーリー自体は本当に重苦しいんです。
だけど、それゆえに最後の一筋の光が凄く温かく感じられるという。
心の動きがリアルで人間臭くてとっても面白かったです。
他の作品も読んでみたいなぁ。

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『風が吹いたら桶屋がもうかる』 井上夢人

相変わらずの井上夢人です。コメティタッチの短編集なので
サクッと読めてしまいました。
ごく普通の主人公シュンペイ、推理小説オタクで論理的な推理を
ぶちまけるイッカク、超能力者のヨーノスケという3人組。
このイッカクとヨーノスケの二人が凄く面白い。
イッカクはいわゆるアームチェアディテクティブで推理という名の
机上の空論を延々と話す。だけど結果は毎回見当はずれで、
全く当たらない。これって、他の推理小説への皮肉だよね?
依頼人がヒントの全てを話してくれるなんて、実際には無くて、
結局、全く語られていないような日常の些細な事が解決に
必要なカギだったりするんだよ。

更に面白いのがヨーノスケで、超能力者なんだけど、
本のページをめくるのに何時間もかかったりするレベルなのね。
割り箸を手を触れずに割ったりして、本当に超能力ではあるんだけど、
何しろレベルが低いから割るまでにラーメンのびてたりする。
そういう超能力ってはたして必要なのかな?って事。
主人公曰く「ヨーノスケのは低能力。普通にやった方が早い」
っていう状況。これって面白いなぁと思った。
ある程度レベルが高くないと超能力っていえないんじゃないかと。
むしろ、ふとした匂いで何を食べたか気付いたり、前から来る人を
よけようとしたら同じ方向によけちゃったりする方が、よほど
超能力っぽいんだなぁと考えさせられちゃいました(笑)。

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『スイッチを押すとき』 山田悠介

この作者の本は『リアル鬼ごっこ』など数冊読んでますが、
毎回設定が本当に良く思いつくなぁと感心してしまう魅力的なものが多い。
今回のもランダム抽出した子供たちに心臓に手術を施し、
スイッチを持たせ、そのスイッチを押すとあっけなく死ぬ事が出来る
という状況にさせる。その上で施設に軟禁され、どんな心理で
スイッチを押すのかを研究する…という話。
本当に良く思いつくものだわ。

でもいかんせん文章力が…どうにもこうにも(涙)。
コロコロ一人称が入れ換わって、誰の心情だか分からなくなるし、
何故か突然脚本みたいな場面説明になっちゃったりするし、
じっくり描いて欲しい所は駆け足で、無駄な部分が冗長だし、
何ていうか、「ん?ん?」と色々疑問に思ったりして感情が
中断されるので、感動もなにも…。
だからきっと、映像化した方が良いんじゃないかな?と思う。

でも一気に読めたよ。面白いには面白かった。
ラストは「やっぱりね」だったけど(笑)。

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